
広島県では、生産者や料理人など多様な主体とともに、広島の多彩な美味しさを磨き、その魅力を発信する「おいしい!広島」プロジェクトを推進しています。
8月12 日に開催した和食編に続き、将来の料理人育成のため、小学4年生~中学3年生を対象に RCC SCHOOL~目指せ未来の料理人!イタリア料理編~を開催しました。
【日 時】令和7年8月28日(木)
【場所】ラ・セッテ(広島市)
【講師】北村 英紀(ひろしまシェフ・コンクール審査員)
料理や料理人に興味がある子どもたち20名が集まり、料理人という仕事の魅力を深く学びました。
講師の北村シェフは、料理人の魅力として、お客様を喜ばせるために自分の引き出しからメニューを考えて、それを実際に食べた方から「美味しい」と言われることや笑顔になってもらうことの嬉しさや、海外修業などで広い世界をみることができるという料理人じゃないと味わえない体験ができる、と魅力を語られていました。また、ご自身の畑で野菜を作られていることから、自分が種から育てて成長を間近で見ている野菜を使って料理することは他の食材にはない特別な感情や思い入れのある料理になると、北村シェフにしか味わえない楽しさを話されていました。
参加した子どもたちも真剣で、「葉物野菜を切ると苦みが出るのでどう調理するのがよいか?」という料理に対して一歩踏み込んだ質問もありました。対して北村シェフは「水にさらすと苦みが取れるがビタミンが抜けてしまう。苦みを、良い苦みとして捉えるかどうかだ。例えばゴーヤチャンプルーでゴーヤに豚肉の甘みを合わせるように、他の食材と上手く合わせるのがポイント。」と料理人ならではの回答をされていました。
その後、北村シェフを始めとするラ・セッテの3人の料理人の方から指導を受けながら3つのグループに分かれて調理体験を行いました。
じゃがいものニョッキを作るグループでは、北村シェフから裏ごしの仕方を教わりながら調理を進めていきました。じゃがいもの皮ごと裏ごしを行うことでよりじゃがいもの香りが引き立つというお話もありました。
調理を進めるに当たって、じゃがいもの品種である男爵いもとメークインの違いについて、ニョッキのようなホクホク感を出すには男爵いも、カレーや肉じゃがなどには崩れにくいメークインが適しているという話もありました。
また、ニョッキに関しては、イタリアでは木曜日に食べられていること、筋が入っていることでソースとより絡まりおいしさにつながることなどたくさんのお話をしてくださいました。
フォカッチャを作るグループでは、生地を混ぜ、こねるときのポイントやラップを使った発酵の合図の見極め方、計量の際に1g単位で計量することなどたくさんのパン作りのポイントを教わりながらフォカッチャを作りました。始めは、うまく生地がまとまらず、苦戦していた子どもたちも次第に生地がまとまっていき、つやのある生地になっていったことに驚いていました。
また、このグループでは、ニョッキにかけるトマトソースの調理も行いました。こし器の裏に残ったソースをゴムべらを使いきれいにすくい取ることで、子どもたちは、もったいないをなくすことや残ったソースにうまみが詰まっていると教えてもらい、料理全般で生かせるポイントも学びました。
とうもろこしスープのグループは、とうもろこしや玉ねぎを切って、ソテーし、切った具材を煮込んでスープを作りました。とうもろこしは実を使うだけでなく、実を落とした芯から出汁を取る調理法を教わりました。まだ具材を入れていない、芯で出汁をとっただけのスープを味見した子どもたちは、とうもろこしの味がするスープに「これだけでも美味しい」と食材の魅力を余すことなく引き出すプロの料理人の発想と素材の力に新たな発見をすることができました。
いよいよ、作った料理の試食です。
北村シェフからのイタリア語で「どうぞ召し上がってください」と言う意味の「ボナペティート!」の挨拶で試食スタート。子どもたちも自分たちで作った料理は美味しいと満足した様子でした。
またニョッキ、フォカッチャ、とうもろこしのスープに加えて、子ども達の心に残った1品が、北村シェフより提供された焼き茄子のアイスクリームでした。北村シェフからは、「料理には苦みと甘みのバランスが大事」という話があり、子どもたちもアイスの甘さのあとの焼きナスの苦みに驚きつつも、普段ナスが食べられない子も美味しく食べていました。
北村シェフから子どもたちへの「料理にたくさん触れて、食べる楽しさ・作る楽しさを感じてほしい」とのメッセージとともにイベントが閉会した後も、シェフ達のもとに多くの子ども達が集まり、未来の料理人がこの中から誕生することを期待させる日となりました。
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