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造りたてのフレッシュ感が魅力の無濾過。 フルーティで華やかでありながらすスッキリ味わえる日本酒 – 梅田酒造場

広島の酒

[投稿日]2021年03月31日

広島市東部の市街地、船越(ふなこし)。
かつては遠浅の海がすぐそばまで迫っていたといわれ、沖合には船が行き交い、水越・堀越に接していたところから船越の地名がついたといわれます。

やがて埋め立てられ、江戸時代には西国街道が通って人の往来でにぎわいました。
そんな歴史ある土地に、1916(大正5)年に創業した酒蔵が合名会社梅田酒造場です。
創業時はこの一帯に5軒の造り酒屋がありましたが、現在残っているのは梅田酒造場のみ。
初代の梅田直次郎と二代目の梅田澤次郎の兄弟が、日露戦争後に数年アメリカに出稼ぎに行き、 その後、帰国してから酒蔵を立ち上げ、現在の梅田修治社長は四代目の蔵元となります。

ちなみに、合名会社は株式会社と異なり、資本の集まりではなく人の集まりで作る「人的会社」です。経営者と出資者が同じで、出資者がそのまま経営陣として会社債務について無限責任を負う者のみで構成されます。小規模な醸造会社は同族経営が多いため、一族で出資し、経営も行うという合名会社のスタイルをとるところがあり、梅田酒造場もそうした合名会社です。

日本酒ビギナーが飲んでも直感的にわかりやすく美味しいお酒

梅田酒造場の酒銘は「本洲一(ほんしゅういち)」。社名にちなんだ「梅乃井」や「千代乃梅」の創業時の商標も残してあるそうですが、日本一の酒蔵を目指す志を表す「本洲一」が代表銘柄です。

仕込み水は、酒蔵の裏手にそびえる標高134メートルの岩滝山から湧く伏流水。自社に井戸を掘り、地下60メートルから汲み上げる水は良質の軟水です。
地元の水、「千本錦」など広島県産の酒造好適米、広島吟醸酵母など広島の酵母を使い、「本洲一」の日本酒は造られています。

「日本酒に詳しくない人が飲んでも直感的にわかりやすく美味しい、と思える親しみやすいお酒を目指して酒造りに取り組んでいます」と将来五代目蔵元となる梅田啓史(ひろふみ)さん。進学、就職でしばらく郷里を離れていた啓史さんは、2014年に帰郷しています。

フランスの市場をいち早く開拓。高まる評価

「本洲一」の名を世界に知らしめることになったのが「IWC2008」での金賞ダブル受賞です。

世界最大規模・最高権威とされるワイン・コンペティション「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」でSAKE部門が設けられたのは2007年。その翌年に開催された「IWC2008」で梅田酒造場は、純米酒と本醸造酒の2部門で金賞を受賞。さらに、本醸造部門の最優秀賞であるトロフィー受賞銘柄にも選ばれました。

このとき、純米酒の部での金賞受賞酒が「本洲一無濾過純米酒」、本醸造酒の部のトロフィー受賞酒が「本洲一無濾過本醸造酒」です。

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「本洲一無濾過本醸造酒」は、その後も2010年に本醸造酒の部で2度目の金賞を受賞し、本醸造酒部門の最高賞「チャンピオン・サケ」に選出されました。また、「本洲一無濾過純米酒」も2012年、2013年に連続して金賞を受賞しています。
IWCでは、その他の部門でも純米吟醸酒部門で2016年と2020年に「本洲一無濾過純米吟醸」が金賞を、大吟醸酒部門では2017年に「本洲一大吟醸原酒」がトロフィーを獲得。着実に実績を残しています。

また、フランス発の日本酒コンクール「Kura Master」では第1回が開催された2017年に、純米部門で「本洲一無濾過純米吟醸」が金賞 を、純米大吟醸部門で「本洲一純米大吟醸」が各部門の最高賞である プラチナ賞 をそれぞれ受賞。その翌年、2018年の純米大吟醸酒&純米吟醸部門では「本洲一無濾過純米吟醸」がプラチナ賞に輝いています。「Kura Master」2019年、2020年でも梅田酒造場は金賞に名を連ねており、存在感を高めています。

梅田酒造場は、2014年5月に広島県と県内の酒蔵によって設立された「広島県日本酒ブランド化促進協議会」の発足当初から参加していますが、それ以前からフランスへのアプローチを始めていました。
アメリカはすでに国内大手の酒造メーカーによる市場ができあがっており、参入が厳しい状況でしたが、ヨーロッパは開拓の余地がありました。修治社長はフランスに照準を合わせ、販路をコツコツと開拓してきたのです。IWCやKura Masterでの高い評価は、こうした努力が実を結んだ結果と言えるでしょう。

パリが市場として定まりつつある現在、今後はリヨンやボルドーなど、郊外へのアプローチをしていく構えです。さらに香港、シンガポール、ベトナム等のアジア圏への進出も始まっています。

広く多彩な日本酒の扉を開く入口に

「本洲一」を入口にいろいろな日本酒を試してもらい、比べて違いを知り、好みの日本酒を見つけてほしい、という思いが梅田酒造場にはあります。口当たりがまろやかで、すっきりとしたキレのあるお酒は、海外に限らず、日本国内の若者や女性など、日本酒初心者にも受け入れられやすい点が魅力です。

その一例が、IWCで金賞を2度、Kura Masterで最高賞のプラチナ賞を受賞した「本洲一無濾過純米吟醸」でしょう。華やかでフルーティーな香りで、くどくなくスッキリした味わいは刺身や牡蠣に合い、魚介を使ったフランス料理とも好相性。白ワインに近い感覚で楽しんでもらえることから、日本酒に対する興味の入り口になるお酒としてフランスでも好評です。

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IWC受賞を機に広島県外のお客様からの反応も増え、日本国内はもとより世界から熱い視線を集めている梅田酒造場。造りはもちろんのこと、瓶詰めして出荷に至るまでの全工程に手を抜かず、品質本位の酒造りを続けています。

 


合名会社 梅田酒造場
1916(大正5)年創業
広島市安芸区船越6-3-8
http://www.honshu-ichi.com/

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