日本酒はチーズの味を引き立てる。BAR/Pigalle Fromage Clubでフランスでの日本酒の楽しみ方を伺えました。
[投稿日]2021年02月02日 / [最終更新日]2021/03/22

– お客様は、広島県のこと、広島のお酒の事を知っていますか?
広島の名前は、悲しい出来事ではありますが、原爆、そして宮島が有名です。ただ、多くの人は広島で美味しいお酒が生産されていることは知りません。
– どのように広島のお酒を知りましたか?
パリには良いディストリビューターがあり、そこから提案を受けました。
– 日本酒を初めて飲む人の感想や第一印象は?
ここに来る人の多くは、日本酒のことは聞いたことがあっても、日本酒が何なのかはよくわからない場合が多いです。彼らはお酒というものに、中華料理店で出される非常に強いアルコールのイメージを持っていて、食事の最後に小さなグラスで飲む食後酒と間違えて理解しています。
ただ、「強すぎる!」「私たちには合わない」「ごめんね、でも明日は仕事だから」。
と否定的な先入観を持つが、1度、飲んでみたら好きになる人が多いです。
好奇心旺盛な人は、3種類の日本酒の利き酒を選んだり、他の人と分けて味を比べたりします。
しかし、このような人たちに日本酒の世界を知ってもらうために、一番効果的なのが、日本酒3種類とチーズを提供することです。味の違いを意識するようになり、いろいろなマリアージュを試してみる。面白い経験になっているようです。
– 日本酒に合うおすすめのメニューを教えてください。
いつもチーズをすすめます。店にはたくさんの種類を揃えてあります。チーズ2種類ぐらいとチーズに合う日本酒を持ってきます。例えば、若いハードチーズは爽やかな日本酒とよく合いますが、熟成なチーズは重さのある日本酒の方が合います。これらはワインにも使うルールで同じようなマリアージュがあります。すごく面白いです!また、日本酒は口当たりが優しくなるという利点もあります。チーズの味を隠すのではなく、逆にチーズの味を引き立て際立てます。
– なぜ日本酒を売ろうと思ったのですか?
… まあ、日本酒が好きだからです。ワインも日本酒も好きなんですが、この二つは別世界で、そこがとても面白いんですよね。20年ほど前にはすでに味わう機会があったが、定期的に飲むようになったのは2年前からです。そして、1年半前にPigalle Fromage Clubがオープンしてから、さらに飲んでいます。そのおかげで、特別な日本酒をたくさん味わうことができ、その都度、チーズとの新たなマリアージュを見つけることができました。
もちろん、もっと多くの人に紹介したいと思っています。
日本酒には、人々が好む自然な面があります。
最近では、防腐剤を使わないなどのナチュラルワイン(自然ワイン)がより好まれています。そういう意味でも日本酒は好まれる傾向にあります。
-日本酒との出会いは?
日本に住んだことありますし、日本酒をもらったこともあります。ブラジルに住んでいたときも日本人系の大きなコミュニティがあり、そこでも日本酒を知りました。
個人的に、わりと大衆な日本酒が好きなんです(日本酒を取り出し、その場で提供頂く)。
この日本酒は香りが良く、とてもフルーティーです。日本酒が飲んだことない人にもすぐ評価されます。
日本人がアピールする日本酒は、非常に純粋で軽いものが多いが、フランス人はその繊細さに気づかない。フランス人にはもっと激しいものが必要です。日本酒の中には、ちょっと水っぽく味わうものもあるんですよね。しかし、これはそうではない。逆に昂然です!ワインが好きな人にも気に入られます。アルザスワインが好きな人には、このような日本酒も喜ばれるのではないでしょうか。それなりの濃厚さがあります。
– フランス人は日本酒のどこが好きですか?
最初に気に入るのは飲みやすいことで、想像していたほど強くないことです。一杯、二杯ほど飲んでも、すぐに酔ってしまうことはありません。
また、我々が提供するチーズとよく合うことです。お客さんはそれを感じ、お酒の味を感じます。そしてお酒を理解しはじめます。
フランスでの日本酒の認知は新しい世界です。パリだけでなく、ボルドーやリヨン、マルセイユなどの大都市でも日本酒を飲むようになってきました。とても興味深いことです。
日本の生産者を招いての試飲会も頻繁に開催されており、フランスでの日本酒の知名度向上に貢献しています。絶対に必要なことです。日本酒に対するネガティブなイメージに終止符を打つには、日本酒を味わってもらうしかありません。フランスで買える日本酒の選択肢はどんどん広がっています。
当店では日本酒しか注文されない日もあります。店に来るを客さんは既に日本酒を提供していること知っていますし、メニューを見たら飲んでみたくなって注文する人もいます。
食後(ワインボトルを一本飲んでいるような場合)は、日本酒を飲まないことをお勧めしています。日本酒から始めた方が良いと勧めます。こちらが勧めること、説明すること、教えることがとても大切です。
– 広島の日本酒でお気に入りはありますか?また、何が勧めやすいですか?
梅田酒造、本州一
ーとても人気があります。初心者にも知っている人にも興味深い日本酒です。
– リピーターのお客様には、お気に入りのお酒はありますか?特定の日本酒や「いつもながらの日本酒」を頼む人もいるのでしょうか?
いえ、そんなに詳しいお客様はまだいません。たまに、何の種類が飲みたいかを知っているお客さんはいますが、稀なことです。
一方、面白いことに、3つの日本酒を試飲した後、多くの人は自分の好みがわかります。試飲はお客さんが自分の好みが発見できる良い方法です。
2020年9月末、オープンしてから2年が経ちます。10回ほどの試飲会を開催しました。
持ち帰り販売の日本酒がどんどん売れ始めています。オンラインサイト上で注文、配送あるいは、店で受け取ることもできます。たまにご飯を食べるつもりだけで来店して、日本酒を買って帰る人がいます。
最近、始めたサービスですが、実際にはワインのボトルよりも日本酒のボトルの方が多く売れています。
お客様の中には、チーズを目当てにサイトを訪れた人が、それに合わせて日本酒を買うこともあります。
最近、コロナの影響もあり、持ち帰りが店内の販売よりもうまくいっています。テラスもないし、今のところ店内食の依頼があまりないので、テイクアウト販売をさらに発展させようとしています。私たちのコンセプトを広めるには良い方法だと思います。
-日本酒を高く評価している人達でも、日本酒がどこで入手できるのか知らない場合も多いです。あなた方の存在は、こころ強いですね。
そうですね、日本の食材の専門店よりも少しだけ高い値段で日本酒を提供しています。店内価格と持ち帰り価格も異なります。当店のチーズもチーズ屋さんと同じ価格で販売しています。
カルチエ(地元)に根付き、21時でも人が入ってきて商品を買うことができます。儲からないけど、損もしません。小さな食材屋さんのようです。当店の存在を知ってもらうためのサービスでもあります。
Pigalle Fromage Club
35 Rue Jean-Baptiste Pigalle, 75009 Paris France
https://www.fromageclub.fr/
https://www.instagram.com/pigallefromageclub/
https://www.facebook.com/pigallefromageclub/
Lundi : 18h00 – 23h00
Mardi : 18h00 – 23h00
Mercredi : 18h00 – 23h00
Jeudi : 18h00 – 20h00
Vendredi : 18h00 – 23h00
Samedi : 18h00 – 23h00
Dimanche : 18h00 – 23h00
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